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西武40000系について

精密機械工学科1年 7603番 小原孝斗

1. S-trainとは何か

 平成29年3月25日から土・休日・祝日に西武秩父線・池袋線〜副都心線〜東急東横線〜みなとみらい線内を走行、さらに平成29年3月27日から平日に西武池袋線〜有楽町線内を走行している有料座席指定列車として営業運転を開始した車両である。つまり土・休日・祝日は西武秩父〜元町中華街まで運転しており、平日は所沢〜豊洲まで運転しているのである。

2. 使用車両40000系の内部構造

 使用車両西武鉄道40000系である。40000系の開発のコンセプトは「人にやさしい、みんなとともに進む電車」としてこれからの100年に向けて走り出す「最も進化した通勤車両」との位置付けで開発されたのだ。電車は20m4扉10両編成で東京メトロ・東急・横浜高速線との直通運転に対応しているのだ。車内の座席はロングシート・クロスシートの転換機能を持つ座席である。(写真1)



写真1 クロスシート(S-train 104号豊洲行きにて)

 また、西武鉄道Smileビジョンを車内天井部にも設置して、中吊り広告の設置をなくしたのだ。今回の40000系の導入では10両編成で17インチ画面を合計236面にわたって設置しているのである。(写真2)



写真2 西武鉄道Smileビジョンの設置

 長距離運用に備えて、4号車にバリアフリータイプのトイレも設置されていて、4号車では珍しい設備になるのだ。(写真3)



写真3 4号車のトイレ

 40000系には大きな特徴があり、それは車いすやベビカーの利用に配慮し、扉間に広いスペースを取った「パートナーゾーン」は豊洲、元町・中華街側先頭の10号車にある。そのためこの号車は、座席定員がロングシートを含め30人少ないのである。2016年度に2編成が導入され営業運転を開始したのである(図4)。



写真4 40000系10号車のパートナーゾーン


3. 西武40000系の運転方法に関して

3.1 土・休日・祝日の運用について

 土・休日・祝日はみなとみらい線内元町・中華街、みなとみらい、横浜は上り渋谷方面の乗車専用駅である。反対に下りは降車専用駅である。横浜を発車し、東急線内は乗務員が車内を巡回し手にした端末機に表示された指定券の発売状況を見比べて異なっている場合のみ声をかけるシステムである。途中の菊名と武蔵小杉には一時停止を行うが、扉は開かないのだ。自由が丘では乗降可能な駅となるのである。自由が丘を発車後途中の中目黒には一時停止を行うが扉は開かないのだ。渋谷に到着後乗務員が交代し発車するのである。3分ほどで新宿三丁目に到着である。その後電車は池袋へ到着するがここは降車専用と定められていて、指定券自動券売機もないのである。その後、途中の小竹向原で一時停止し乗務員が交代になるが扉は開かないのである。さらに小竹向原を発車し地上に出て練馬では「機器切り替えのため」と、一時停止するが扉は開かないのである。その後石神井公園に到着である。この駅は乗降可能な駅である。その後所沢、入間市に到着後、飯能に到着してから方向転換を行うのだ。ここまでは1号車が進行方向先頭でしたが飯能から終点までは、10号車が進行方向先頭に入れ替わるのだ。飯能から西武秩父まではノンストップである(写真5)。



写真5 S-train1号西武秩父行き
東急東横線祐天寺通過シーン


3.2 平日の運用について

 平日は西武線内所沢、保谷、石神井公園は下り豊洲方面の乗車専用駅になるのである。反対に下りは降車専用駅になるのだ。途中の練馬で一時停止するが扉は開かないのである。また、小竹向原では乗務員交代で一時停止するが扉は開かないのである。有楽町線内の飯田橋、有楽町、豊洲は降車専用駅である。反対に上り所沢方面は乗車専用駅である。土・休日・祝日に副都心線を経由するルートは急行運転を前提に設計されており、途中駅での追い越しが可能となっているが、平日に有楽町線を経由するルートは先行列車の追い越しが不可能となっているためゆっくりとした速度で運転または停止を繰り返すのである。また、有楽町線・副都心線・東急東横線内のホームドアにも対応できており各車両1つのドアが開閉されるシステムだ.(写真6)



写真6 西武線石神井公園駅到着シーン(S-train104号豊洲行きにて)


参考文献
  1. 著者:宮原正和 鉄道ジャーナル2017年7月号
    出版社:成美堂出版
    出版年:2017年5月19日
    参考ページ:pp.16-21
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